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果報の寝言

20090101 引札(ひきふだ)5

一年の始まりということで「芝居正月」のお話。

江戸時代、旧暦11月は「芝居正月」とも言われ、一日から三日間は、正月の三ヶ日同様、芝居関係者は全て裃・羽織袴姿で正装し、雑煮で祝いました。「顔見世」といって一年契約の役者の顔ぶれを披露する、年に一度の華やかな興行が行われたのです。現在はその意味合いも薄れ、豪華役者が顔を揃えた、という意味のようですが。


江戸三座(当初は四座だったが、山村座は、お芝居や歌でも有名な絵島生島事件によって断絶)と言われる、中村座・市村座・森田座の、顔見世狂言興行の初日は、「翁渡し」ではじまります。

天下泰平や五穀豊穣を祈る、神聖で儀式的要素の強い能の「翁」を、歌舞伎では「三番叟」の名でアレンジされ、さまざまなお祝いの舞踊に発展しました。

続く、脇狂言(わききょうげん)は、その座に古くから伝わる短い狂言で

中村座(堺町) 「酒呑童子(しゅてんどうじ)」

市村座(葺屋町) 「七福神(しちふくじん)」

森田座(木挽町) 「七人猩猩(しちにんしょうじょう)」

の演目があった記録が残っています。

果報舎からの新年のご挨拶状は、恒例の広告のルーツともいえる「引札(ひきふだ)5」で、脇狂言の七福神をお送りしました。

お面をつけた七福神が、人々に現世利益を与えるという、素朴な笑いのある舞台の様子から、皆様にも福の神が訪れますように。

本年も果報舎をお引き立てのほどよろしくお願いいたします。


(2009.01)






 
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