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果報の寝言

20040903 久助売り切れ

「あぁ、今日も久助売り切れだぁ。残念」
おせんべいの売り場で、お目当てのものがなくがっかりした様子。
久助って、どんなおせんべいなのかしら・・・

聞いてみると、作る過程で割れたり、欠けたりしたもの、少しだけ形が大きいもの、まがったものなど、正規の商品として出せなくなったものを袋に入れて安く売っているものだそう。
確かに材料は同じわけですから、食べてしまえば同じこと。ご家庭用にはお買い得というわけですね。
「久助」=形のそろわないB級品といったところでしょうか?

最近は、デパートのおせんべ売り場でもインターネットでも販売しているお店が増えてきました。
それにしても、単に「われせん」といわずに「久助」なんてしゃれた名前で呼ぶのか気になりました。

「久助」の語源は、完全な形に欠けている、10に欠けているから9という説と、
いつも失敗ばかりしているおせんべ職人の名前からという説があります。
他に、もっともらしい説では、かつて江戸時代に、葛湯やお菓子などに使う葛を扱っていた廣久葛本舗というお店が、幕府に葛を献上したことから、その主人である高木久助の名が有名になり、葛といえば久助と言われるようになったとか。
そこから転じて、欠けてしまったくずせんべいも葛つながりで、久助といわれるようになったといいます。

確かに「われせん」の「割れ」は忌み言葉ですから、それに「助」をつけて俗称、愛称にしたところなど、しゃれが効いてます。型からはみ出した、元気な「久助」にちょっと親近感をもちました。

人気の「久助」はすぐ売切れてしまいます。もちろん、くずをたくさん出すような工場では生産性が悪いわけですから、久助率は低く抑えなければ、経営的には問題があります。


でも、売れるものを作るのが上手い日本人。


昔は、しょう油せんべいも、のりせんべいも、あられも、ごませんべいもちょっとずつ入っていた楽しみがあった久助ですが、最近は「しょう油焼き久助」「揚げせん久助」という商品としてパッケージされて売っているお店も登場してきました。
“久助ブランド”がラインナップされるというのも可笑しな話ですね。(2004.09)






 
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