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果報の寝言

20040901 お手軽さと満足感

秋の味覚のひとつ、栗。
かつてありそうでなかった商品として、「むき焼き栗」が一世を風靡しましたね。
缶みかん用にオートメーションでみかんの皮を剥くのとは違って、栗は中国のお姉さんが手で剥いているというのも話題でした。

同じように、あるはずのものを取ってしまった商品、1998年に商品化された「骨なし冷凍切り身魚」は、
その市場規模を年率39%と急成長させています。
骨を抜く作業は、むき焼き栗同様、人件費の安い中国、東南アジアに生産設備を構え、販売先は、日本国内の病院・福祉給食大手の企業、旅館などでのニーズも見られ、今後はファミリーレストランにおいても使用頻度が高まると考えられています。

製造の工程は、魚の皮を剥いで、骨を抜き、小骨まで毛抜きで抜いてから、また皮をかぶせて、食品用の糊で接着するんだそうです。
どうせ骨まで抜いたなら、皮もとってしまえばいいのに、と思いがちですが、それでは、魚を食べているという満足感がなくなってしまうんですね。

高級食材を集めたカタログの中に、栗についても同じような商品をみつけました。
全部剥けちゃう一歩手前の、切れ目が入っていて、手で簡単に剥けるようになっている状態の焼き栗です。
全て剥いてしまって、袋詰めしたものよりも、食べる楽しみ、栗を食べているという満足感を狙ったものらしいですが、お手軽さと、満足感。

微妙なバランスなんですね。(2004.09)






 
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