最近、ピッキング被害、自動車盗難、放火などの犯罪が増加して、特定の地域や繁華街だけの問題ではなく、ごく身近にごく頻繁に起こっているように感じます。
それに対応して、セキュリティシステムも、企業や施設向けの設備系から、ホームセキュリティや個人向けのサービスにマーケットが拡大しています。
特に高齢化社会の到来により、そのニーズはいよいよ高まるといわれています。IT技術を駆使したシステムなども見られますが、ポイントは、いかにユーザーニーズにマッチするかでしょう。
現在は警備会社によるサービスが主流ですが、今後は、さまざまな業種からの参入も考えられ、競合は激しくなると思われます。
ただ、最近よく見かける、車や窓ガラスに取り付ける盗難防止のセンサーと警告音は、不必要に鳴ることが多く、私たちが警告音に慣れてしまっている気もします。
また、万全なホームセキュリティも、面倒で解除したままになっていたり、警備会社が到着するまでの数分間を狙った泥棒が侵入したり・・・と設備だけでは万全でないのも現実です。
「戸締り用心」という看板を「住民の皆様のおかげで、先月○件の事件が解決しました。ご協力ありがとうございました。」という看板に変えただけで事件発生を低下させた事例もあるそうです。
ハイテクのセキュリティシステムよりもローテクな看板が功を奏したわけですね。
警察の巡回だけにたよらず、地域のボランティアで、犬の散歩のついでに街をパトロールするとか、メーター検針員や出前の配達員が業務のついでに気づいたことを通報するなど、自分たちで何とかするという意識が芽生え始めました。
“水と安全はタダ”の考えが大きく崩れ始めて「いかに自分のことは自分で守るか」と言うことを真剣に考えなければならない時代になったということなんですね。(2004.03)
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