クルマのパーツのなかで、まず触る部分。それはドアハンドル（ドアノブ）です。
ドアのとっての形状は、クルマ全体のフォルムデザインとともにかわってきました。力を入れて握りこむレバーハンドルタイプから、ボディと一体になったフラットなタイプに主流がかわり、最近は、力を入れなくても軽く触るだけで開くものもでてきました。

握力の弱い女性にとっては、フラットなドアノブは、画期的な進歩でした。でも、下から手を差し込んで上に引きあげドアを開くという形は、思い荷物をもっている時など、ちょっと大変です。きれいにネイルアートしている時など、特に困りものです。そんな些細なことにもこだわってくれたクルマを見つけました。新しいホンダライフです。
「マルチアングルアウターハンドル」とよばれるもので、まんまるくて上からも下からもヨコからも手をかけられるんです！見た目もクルマ全体のフォルムにマッチしてかわいいデザイン！さらにスマートカードキーを携帯していれば、キーを取り出したり、鍵穴に挿したりする必要もないという、高級車並みのオプションもついています。

軽自動車は、いままで「女性向け」といっても、バニティミラーがついているとか履き替えた靴を入れるシューズトレーがついているとか、その程度のことでした。ところが、今回のホンダライフは本気でターゲットを女性に絞って作られている感じです。

★コマーシャル
ＣＦも女性が大好きな「Sweets（スィーツ）」をテーマに、アイスクリームの上をライフが走ったり、上質なインテリア感をチョコレートケーキに見立てたりしています。

★メーター周り
メーター周りのデザインも黒い樹脂のいかにも「軽」という薄っぺらな印象から一新。シルバーと白をつかってエアコンやオーディオ周りとあわせた、最近のミニAVコンポ的なデザインになっています。上位機種ではスピードメーターもオレンジの液晶ディスプレイになっていて、タコメーターやトリップメーター、燃費計算やエンジンオイル交換のタイミング告知等のメッセージも液晶で表示します。さらにインパネシフト（フロアでもコラムでもない）がスッキリした印象を与えます。

★シートアレンジ
クッションもシート表面のソフトな肌触りも普通車と見間違うほど。大型アームレストをつけてベンチシート風にしたタイプもあります。また、助手席に置いたバッグがカーブやブレーキ時に前や横に転がって、たいへんなことになった経験はよくありますよね。座面がカンタンに跳ね上がって、シート下の物入れが使える便利なタイプもありました。さらに、跳ね上げた助手席シートがカンタンに前に移動して、まるで運転席から後部座席へウォークスルーできるようになっていて、チャイルドシートを後部座席につけたときに役立つだろうと思いました。女性ドライバーが欲しいと思うような細かな配慮が感じられます。

★安全性も普通車並み
エアバックも運転席・助手席について、荷重に応じたブレーキングコントロールやABS（アンチロックブレーキシステム）、急ブレーキ時のブレーキアシスト機能も標準装備。三角窓の採用や、大きめのサイドミラーなど、苦手な右左折時の視界確保に役立ちそうです。

全体的にみて、加速感や走りのパワーを必要とするような使用用途でないなら、リッターカークラスを買うよりかなりお得な選択といえそうです。最近は同じクルマでも、デザイン性のアピールで売れたり売れなかったり（ダイハツのストーリアとトヨタデュエットの差のように）明確です。広告のキャッチコピーや起用したタレントの訴求だけではなく、開発時点からのコンセプトが、本気で女性ターゲットといえるクルマが登場してきたのを感じました。(2003.09)